東京のハロウィンに思う

去年は渋谷ハロウィンのど真ん中に突入して色々見て回ってきました。
今年は池袋ハロウィンの余韻を歩いてきました。

そして、twitterやネット上の各種言論(古典的メディアのネット記事も含む)を見て思ったことをつらつらと。

通常のコスイベのマナーとの整合性

……これコスイベじゃなもん。終了。

なんですが、当然ノーマナーじゃアカンわけで。必要なマナーは、「一般社会からどう思われるか」から考えていくべきなんですよね。
コスイベで「家から着替えてきてはいけません!」は、百歩譲っても日本のコスイベのローカルなマナーですし、個人的にはアレをマナーとして扱うのはよろしくないと思ってます。だってコスイベのルールとして出てるでしょ?アレはルールで良いのであって、マナーにすべき内容とは思ってません。ルールにしたほうが明確な強制力をもって参加者を拘束できるし、良いことづくめですよね?

で、ハロウィンに関しては、一般社会からのクレームは現時点で可視化されてませんし、可視化されようが「少数のご意見、しかと承りました」で終わるのが現状かな、と。もちろん少数意見の受け入れは民主的には大切な営みですが、少数意見を熟議なしで全部受け入れて窮屈な社会を作るのは民主主義の説くところとは正反対ですし。

で、一般的なマナーとしては「ゴミのポイ捨てはダメ」とか、「地元住民に想定外の迷惑をかける行為はダメ」とか。例えば「どこでもかしこでも着替える」とか「地元のお店のトイレを占領しまくる」なんて行為はそのあたりに含まれて、だからコスイベと関係なくどっちみちNGです。

なぜ社会が受け入れるか?

身も蓋もないことを言えば、数の暴力って多分こういうことなんですよ。コミケがかける迷惑?に対して有明地区が受け入れるというのはそういうことです。
国際展示場駅って、首都高渡った反対側は普通にマンションとかも建ってて生活の場なんですよ。生活に使う駅が年6日+α(大規模シティとか例大祭とか)あんな大混乱になるっての、普通に考えたら迷惑ですよね。でも、ちょっと声をあげるくらいでは、もうどうにもならない。
もちろん、背後にはコミケで利益を上げる人たちがたくさんいる、という事実があります。つまり「コミケを追い出せ!」は有明地区においておそらく十分な共感を得られない。

……ただ、それはそれでちょっと荒っぽい話で、もっと本丸は「誰が何をやっても基本は自由だよね」を出発点にしていくべきなんです。
そうすると、本来は「社会が受け入れるかどうか」って問いはぶっちゃけどうでもいい……というのは理想で、現実はそうもいかなくて、さっきの有明地区をめぐる例え話に戻ります。

議論としては地域のお祭りが地域にかける迷惑*1をどう受け入れているのか、という枠組みとパラレルだと考えてます。
で、たしか今は道路を使う祭りって警察が管理しているじゃないですか。道路使用許可の枠組み。そこらへん、警察がどういう基準で話を認めているのかが気になります。特に新設の祭りはどういう公共性をもって動くのか。例えば町内会とか、地域の自治会的な枠組みがあれば、公共性を立証するための合議体としては適切ですよね、たぶん。そういう組織が祭りを認めていれば、一応地域全体の意思としては祭りを認める=かかる迷惑は受忍する、と言える?わけです。

で、このあたりは「伝統」なら話は簡単なわけですけど、少なくとも日本における仮装ハロウィンにそんな伝統はどこにもない。この数年のお祭りですよね。そういう祭りが公共性を持ち地元とのパイプを持つことは、多分簡単ではないです。が、だからといって祭りを抑圧するってのもそれはそれで違う。
まあ、悩ましい議論ですよ。

民主主義とハロウィン

民主主義ってのは少数者の意見も尊重される社会の枠組みです。ただ、実のところあるマターに対して「少数者だけが声をあげている」状態だと、行政の枠組みから見るとその少数者が実は多数者に見えます。サイレントな声を拾い上げることは、書類ベースで動くお役所にとってはやはり難しい。だから、ハロウィンを開催する側、ハロウィンで仮装したい側も、この件は民主主義に乗っかった政治マターとして自分たちの主張を展開すべき局面だろうなと。
そうしないと、(もし存在する場合)ハロウィン禁止主張が自治体にロビイングされるとそれが通ってしまいますよ?

即売会会場のある自治体で、地元の何らかのオンブズパーソン組織が即売会禁止をロビイングしたという事例を聞いたことがあります。即売会自体を禁止するのは公的施設の場合かなり難しいのですが、そのロビイングに反論できるロビイストがいなかった結果、開催にかなりの制約がかかったとは聞いています。

未来に向けて

とはいえ今回のハロウィンは渋谷で逮捕者を出しました。おそらく、逮捕者が出るってことは警察が「これは社会的にNGだ」と判断したという話です。で、警察ってのは要は暴力装置*2であって、つまり権力とイコールです。

権力が社会常識と寄り添うという民主的な行政を前提とすれば、やっぱりいまの渋谷ハロウィンには問題があるんです。少なくとも今回の警察は、逮捕者の発生をもって社会に向けてそういうメッセージを発しました。

機動隊の導入?簡単に言えば、「警察が認める形で管理されていない雑踏は警察にとってそれだけ危険だし、警察にとって理解できない」という話です。警察は本質的に極度に保守的な組織ですから、「トップが明確になっていて上意下達と多数決原理が成立する組織」以外のものへは本質的に強い警戒をする、という事実は知っておいてもいいかと。*3例えば池袋ハロウィンは豊島区とドワンゴが管理してたんですよね?だから何とかなっている。コミケも大変な雑踏ですが、あれだけ人が来ていても警察力の導入は最低限で済んでますよね?警察が認めるような組織構造を持つ準備会が管理しているから、問題ないんです。*4

渋谷ハロウィンも、「正常化」つまり管理可能な形への変容を考えていくべきフェーズではあるのかな、と。で、それを仕掛け「られる」主体はおそらく渋谷区か、もしくは東急です。地元の町内会的組織だけじゃ渋谷はコントロールしきれないでしょ。

 

*1:例えば神輿が通ると自動車交通に不便がかかりますよね?

*2:本来はドイツ語で書くべき単語なんですが

*3:警察に限らず公的組織って大抵そんなもんで、そのへんが緩い組織だと公的リソース=公民館とかを借りるのも一苦労だったりします。

*4:同人即売会でも微妙な組織がトップを張って無秩序な群衆が発生すると警察沙汰になる事例は当然あって、過去には準備会代表者が警察に引っ張られた事例があります

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