企画のトラブル回避ノウハウ

これね。

ajinori800.hatenablog.com

このblogの本題自体2.8mileなんですが、この記事自体はそれなりに普遍的な話*1を語ってると思うので論評。
なお、本記事で引用元特記なき引用は、すべて上記blogエントリ内からの引用です。

違和感を放置しない。

これとっても大事。ロジカルじゃない違和感こそが発見の第一歩です。良い意味でも、悪い意味でも。
ノーベル賞級の研究だって、ちょっとした違和感が実現の出発点になってたりします。白川博士のノーベル賞研究だって、発端は助手の実験ミスです。

有名人と知り合いであることを事あるごとに自慢する人物には注意。

人間関係絡みでよく言われるノウハウですね。それ自体が詐欺的行為と直結しているロジックは多分ないんですが、人格に問題がある人はあらゆる種類の不正を行いやすいという相関で導ける話なのかな。

スケジュールは余裕を持つこと。当たり前だがなかなか守られていないのが現実。

それ自体はとても大切なことですが、根本目的違うだろwwwwwww

内部での情報共有は、誰かを介してではなく直接行う。

「当然」です。そもそもチームを立ち上げる時点で情報共有プロセスとか熟考しておくべき。

チーム内の情報共有を1:1でやるのは本来間違いだと思ってます。ただ、「オープンの場には出せない」という類いのクレームをどう扱うか、という課題が残ります。
スジだけを通すなら「オープンの場に持ち出せないクレームには理由がないので持ち出すな!」なんですが、それはそれで心情的な問題は解決できないしなぁ……
うちの場合、「クレームはこの人に」という窓口をチームの内部からちょっと離れた場所に用意して、直接言えない類のクレームをチーム運営の改善に繋げていくプロセスとして位置づけています。

主催は、完成音源だけではなく一部のパートをオフにした音源など、作者本人でなければ出すのが難しいデータを提出させ、本人確認を行う。 

 これ、上記blogでも書かれている通り決定打にはなってません。が、確実に有益な一手法ではあります。
「オリジナルのMIDIをベースに偽装する」類の事案や、メロディーだけ完パクリといった事案にどう対処するか、改めて考えたいところ。
商業だと損害賠償で片付ける事例が多いと思いますが、損害賠償を事前に合意したと仮定しても同人では2.8mileの事案をベースに考えると「賠償能力ありません」で逃げられてしまう可能性が高いですよねぇ(苦笑

企画を立ち上げた時点でCD制作の費用が用意されていないのは論外

 用意自体はされてなくてもいいんじゃないかなー、と思いますね。必要な予算の用意のめどが立っていればOK。
妖精郷だと400枚ってことなんで、普通に作ったら10万円~20万円のオーダーで済みますよねぇ?2.8mileにとっては特殊な事情があって厳しかったとしても、標準的な企業に勤めるフルタイムの社会人ならボーナス1回分でまかなえる金額です。そんなにハイリスクではないと考えるのが妥当。リスクとして残ることは認めますが、同人である以上ゼロリスクを求める話じゃないはずです。
たとえお金を用意しておいたとしても、例えば事故を起こして損害賠償に全額消し飛ぶといったシナリオは当然あり得ます*2。なので、制作費不足は「用意しておいたとしても」リスクとして残ると考えてます。

てかですね。2.8mile関連の一連の事件、浦賀船渠/豊郷ティータイム問題と同じで、こういうことなんですよ。

 

 2.8mileがやったのもそういうことです。もちろん法的な問題もある犯罪ですが、それ以上に音系同人の性善説を破壊している。

……なんですが、疑心暗鬼が広がると、ちょっとした失敗が性善説の破壊に力を貸してしまうんですよね。それもそれでどうなのかなーという気もします。
本来は、誰かの失敗を悪意を持って読み解く時点で性善説の破壊だろ?というところもあって。

*1:ただし構造自体は音系同人特化なので、他の分野に持って行くときは読み替えは必要

*2:差し押さえ食らったら「制作費!」って言い分は通らないはずです