Finaleを使った作曲→同人CDの作り方

先日のあぷらじでも、交響曲第5番へのコメントで「Finaleで作っている」って話題への反応がいろいろありました。
なんですが、最近はFinale”だけ”で作業を完結することはなくなってきました。Studio Oneが使い慣れてきて、それなりに狙ったことができるようになってきましたし。

というわけで、私のオーケストラ作曲ではFinaleと他のツールをどう使いこなしていくか、紹介します。ネタは最近の作業ということで、交響曲第5番。

五線紙レベルでの作曲

まずはここから。ここの作業のできばえが音楽の95%を確定させますので、最も重要なフェーズ。これが終わってしまえば残り作業は1週間もかかりません。

単純にFinaleを五線紙と同じように使い、作曲していきます。
Human Playbackにはかなり依存していくので、そのあたりの設定の作り込みも大切。

Garritan Personal Orchestraで音源を作り込む以上、制限には従わないといけません。例えばヴァイオリンは「ト音記号上加線2本のドのオクターブ上」以上は使えません。ミまでは通常音域なんで何とかして欲しいところではありますが……その一方、フルートのH足部管は使えたりするので、なんというか矛盾?
弦楽器のハーモニクスも綺麗な音色にはなりません。正直このあたりの解決だけは別音源使いたい……と思い始めている今日このごろです。

要求クオリティによっては、ここでWAV吐き出してAdobe Auditionで音を整えて作業終了にすることがありますが、交響曲の場合はこの先に進みます。

Finale→Studio Oneでの作業

ぶっちゃけこの段階は最終仕上げ。交響曲規模の作品だと1週間もかかりません。大量の歌が入るMagna Solemnitasでさえここで使った時間は1ヶ月とかそんなもののはず。なお作曲は1年かかっておりますがな!

FinaleでHuman Playbackを適用したMIDIを出力して、Studio Oneの作業に移ります。Human Playbackが正常認識せずMIDIがおかしい!ってことがちょくちょくあるので、ここで何度も再生して(特に演奏指示を書き込んだところが正しく反映されているか)チェック。

Studio Oneでやることは、主に以下の通りです。

  1. Human Playbackで期待範囲内の成果が出ていない場合、微調整→交響曲5番の場合はほとんど調整せずに済みました。
  2. VSTエフェクト類の整備。この段階で楽器単位の音を良くしたり、ステージのリアリティを出していきます。

同じGarritan Personal Orchestraを使っていても、Finaleの音よりStudio Oneで出した音のほうが綺麗になります。特に24/96で出すとはっきり違ってくるので、この段階まで行くと24/96で作業したいところ。

歌モノの場合はここから歌のミックスとかが待っています。交響曲は器楽作品なのでこれで終わり。

クラシック音楽系の場合ダイナミクスとかを生かしたほうがいいので、コンプレッサーの類の音量をいじるプラグインは楽器単位で使うことはあっても、全体のマスタリング意図で使うことはまずありません。やるとすると即売会試聴用音源やラジオ提出用音源を作るときに音量レベルを全体敵に上げる程度でしょうか。

交響曲第5番は、Studio Oneのプロジェクト機能でCDマスターを作りました。

余談

なんで、ピアノロールはぶっちゃけ読めません!
MagnaのときにMelodyne的な意味で必要に迫られて少しは読めるようになりましたが、楽譜と同じってわけにはこれっぽっちもいきません!

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