スキル安売りの論点整理

まずは話題のtweetを2つ。

前者は同人の話題か?と思ったら、どうも商業の話題っぽくて真顔なんですが。

後者、ものすごく単純に言えば市場原理の話です。仕事したい絵師さんやコスプレイヤーさんが需要に比べて多くなると、絵師さんやコスプレイヤーさんの価格は必然的に下落します。こいつを食い止めるにはカルテルが必要なんですが、当然独禁法マター。
市場原理はイデオロギーとしてではなく事実として正しい*1ので、市場原理を食い止めるには不自然な仕組みを何か導入しないと機能しません。

なのですが、人間は霞を食べては生きていけません。*2なので、何かしらの手を打つ必要があります。……というわけで、スキル安売りをめぐる論点整理。

  • そもそもスキルの安売りは何に対する問題か?
  • バリアント:市場における(not生活における)適正価格でスキルが売られることには何の問題が?→最低賃金問題のバリアント。
  • バリアント:最低賃金を気にしなくて良い状況下において、スキルの安売りには何の問題がある?
  • 最低賃金を気にしなくて良い条件とは何か?→おそらく、最低賃金を気にしなければならない市場(=それで食べている人の市場)と、そうではない市場の完全分割。
  • 市場の分割には何の問題がある?これは多分古典的問題。思いっきり独禁法マターでもあるので、実装上の問題と理論上の問題を切り分ける必要がありそう。
  • 私たちには何ができる?そしてボイスコ同盟的なアプローチ(=業界団体)とカルテルの関係性。
  • 自然ではない仕掛けとして、何が有効か?→多分「心理的には自然だけど、経済的には自然ではない」という構造をハックするのが有効に機能しそう。

*1:例えば古典物理学は正しいので「リンゴは木から落ちます」し天動説が正しいですが、それってイデオロギーではないですよね?そういう意味で、市場原理は正しいですが、市場原理の正しさをイデオロギーにするのは間違いです。同じように自然科学をイデオロギー化して悲劇を生んだのがソ連の生物学:ルイセンコ

*2:注記:ミクロ経済学にはこの仮定はありません。繰り返す:ミクロ経済学は人間が霞を食べて生きないという事実を無視する学問です。この手の議論は新自由主義が依って立つ理論的背景なんですが、そもそも理論が雑すぎです。古典物理と同様大筋合っているのでリンゴは木から落ちますが、大筋しか合っていないので古典物理ではGPSが機能しません。

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