ネット即売会の未来を考える

先日開催された「APOLLO」の第2回。早速第3回の告知が上がっているみたいです。

2月と6月のAPOLLO開催がデフォになると、2月APOLLO, 4月M3, 6月APOLLO, 8月コミケ, 10月M3, 12月コミケという流れで、確かに2ヶ月に1回になります。
前回のAPOLLOは500SP以上集めたとのことで、色々問題があれどAPOLLOが支持されていることはそろそろ客観的にも明らかになってきたかな、と。 

 個人的には開発体制の立て直しを最優先してほしいところですが、それはそうと一般的に「ネット即売会」がどんな未来を生み出してくれるのかも考えたいところです。*1

まず、インターネット(というかWebサービス)の特性として、「見たいものだけが見える」仕組みであることがしばしば指摘されています。同人即売会は会場内を歩いていれば否応なしに自分が「見たいと思っていなかった*2」ものに出会えて、そこに新しい作品との出会いの可能性があります。*3 一方で、APOLLOではそういう仕組みってあんまり強くないですよね。ある程度対策取るとは言っていたはずですが、どういう施策だったのか、出店側の私たちにも説明はありませんでした。*4

そう考えると、ネット即売会ってのは、今のままだと即売会というよりはバーゲンセールのアナロジーのほうが通じる空間にならざるを得ない側面があるんじゃないかな、と思ってます。うちのサークル的には前回のAPOLLOで宣伝活動やりきれなかったところがあるのでなんとも言えない部分は残りますが、APOLLOの存在は既存のブランド力が強いサークルほど多くのアクセスを集めて、小さなサークルはなかなか売れない、って構図を強化する一方じゃないかな、と。

一方で、ネット即売会が「即売会」であるからこそ許されることがいくつか見えてきました。例えば無条件のダウンロード販売には良い顔をしない原作者であっても、ネット即売会であればOKという扱いの萌芽があります。即売会は通常のダウンロード販売とは異なり、日時が限られています。だからこそ原作権利者のビジネスとのバッティングが小さく、OKになりうるのでしょう。*5

もう一つ、現状M3もコミケも東京でしか開催されておらず、京阪神都市圏ですら音系同人イベントの規模が小さいままで苦闘している状況を考えると、東京以外の人間が東京に出るコストを支払わずに同人音楽の世界に参加できる、という状況には確かに意義があります。その意味でネット即売会が支持を集めたことは、悪くない結果なのかもしれません。

ネット即売会に関しては当面は「価値の評価については当面はネガティブ寄りの様子見だけど、だからといって否定はせずに、積極的に参加は続けていく」というスタンスで行きたいと思います。

*1:つまりAPOLLOではない何かが同じことを考えたらどうなるのか、でもあります

*2:見たくない、という意味とは違います:念のため

*3:うちのサークル規模だと頒布の数を考える上でも無視できない出会いです

*4:明確な説明でなくてもいいんですが、議論としてどっかのメディアで取り上げられないですかねぇ。それこそKAI-YOUさんあたりがこの手の話に適しているような

*5:そういえばボカロ曲のDL販売規制って、アレ法的根拠どこなんでしょうね。ボカロを使った曲のDL販売を規制するってことはないはずなんで、ボカロをウリに使うための商標権あたりの問題がベースにしているはずなんですが。

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