前提:
十分に大きな規模の社会*1において、2人しか是としない提案を採用することは、民主主義ではない。
本来は熟議の過程をとって2人(=少数派)の納得を得るべきだが、とりあえず直感的な話として以上を前提とします。
プロセス:
(1) ある提案Xについて支持する2人と(他の人は支持しないので)支持しない1人で合計3人からなる会議を作り、多数決主義で多数決を取る。この3人で多数決を取ると、2人の意見が通る。よって、この会議の多数決による意思は提案Xである。
(2) 次に、会議に参加した3人とよその2人を集めた会議を作り、もう一度多数決を取る。すると3人は(1)の多数決によって決まった提案を支持するので*2、5人の会議体の意思は提案Xである。
(3) 次に、この5人によそから4人混ぜてきます。これで9人の提案になりました。
(n) 以下, k_n = k_n-1 * 2 – 1 (ただしk_0 = 2) となります。漸化式を解くとこうなります。 k_n = 2^(n-1) + 1 となり、会議体を複数かますことで指数関数的に支持者が増えます。よって、2人が支持する提案Xは、どんなに大きな社会においても多数派となります。
矛盾:
……なわけないですよね?
おかしいのは、(1), (2), (3)… というプロセスそれ自体です。熟議をかまさずに多数決主義をやると、こういう形で「2人が賛同する意見は全て多数派」という状況を作れます。