ローカル路線バスの旅の現実

テレ東のお化け番組、「ローカル路線バスの旅」。

先日の大阪(堺)→三重(鳥羽)の回でも、ネット上で普通に最適解の検討が始まるくらい盛り上がっていました。例えばこんな感じ↓(ネタバレ注意!

tabiris.com

で、ちょうどタイムリーにこんなエントリも。

toyokeizai.net

大筋はこの記事、全て正しいです。「簡単に越えられる県境」として知られている山口~広島でも、広島市方面からのバスとなると繋がっていなくて実際に広島→山口の移動に使おうとすると一苦労*1になります。

うちも学生時代に「東京→博多、路線バスと私鉄の旅」をやりました。当時の記録をざっと紹介します。*2
条件としては「私鉄はOK、短距離の船もOK、路線バスで高速自動車国道を経由する区間はNG」です。また、通しの休みが取れない状況だったので区間ごとにぶつ切りでやりました。

  • 1日目:東京→甲府
    東京発で唯一簡単に日帰りできる区間。
    東京からは丸ノ内線→小田急で小田原まではすんなり。箱根越えは登山電車よりバスのほうが楽で、仙石で乗り継いで御殿場に出ました。箱根エリア~御殿場は高速バスが主流なのですが*3、ちょうどいい時間に地べたのバスがあったのでそちらをチョイス。
    御殿場からは富士急のバスを乗り継いで甲府へ。富士吉田(現:富士山駅)では時間があったので甲府から帰りのバスもチケット買っておきました。ちょうど甲府~新宿の高速バス1000円キャンペーンをやっていた時期で、富士吉田→甲府が1500円くらいかかるのに対して甲府→新宿が1000円と出てきて、窓口の人が面食らっていたのを覚えています。
  • 2日目:甲府→北沢峠→高遠→茅野→白樺湖
    早速現在では全く実現できないルート。北沢峠越えの路線バスは登山バスなので夏のみ運行、北沢峠越えて高遠から茅野までは春の桜シーズンのみの運行です。
    気持ちのいい山越え、登山用のマイクロバスをひたすら乗り継ぎながらこなしていきました。
    山を下りて、登山バスから一般バスに乗り継ぐ最後の1区間が空気輸送だったのもびっくり。自家用車乗り継ぎの駐車場が終点の1つ前のバス停に設置されていて、みんな自家用車利用なんですねぇ。
    日があるうちに白樺湖まで一気に上がって、のんびりリゾート気分。
  • 3日目:白樺湖→美ヶ原→松本→乗鞍
    ビーナスラインをゆく路線バス、松本電鉄の経営不調に伴って一瞬で消し飛びましたねぇ。わずか50分で2000円ぼったくる路線バスなんで、そりゃ自家用車には勝てないわなぁ、と。のわりには家族連れとか乗ってたんですが。
    当時のダイヤだと乗鞍の山登りまでは行けなくて、登山口にあたる国民宿舎でストップ。当時の松本発の時間でいまのダイヤならこの日の内に高山まではたどり着けていた……と言いたいところですが、まあ白樺湖から松本まで何日かかるのやら、という状況が。*4
  • 4日目:乗鞍→高山→牧戸→関→岐阜
    乗鞍畳平、標高2800mで走ってバスを乗り継ぐハメになりました。一瞬頭痛が走って、これが高山病なのかな?
    高山からは白川郷行きのバスを途中まで使う形で、牧戸駅(!)で郡上方面へのJRバスに乗り継ぎ。*5
  • 5日目:岐阜→名古屋→大阪→姫路
    ここは名鉄と近鉄と地下鉄と阪神と神戸高速と山陽をひたすら乗り継ぐだけ。当時はまだ阪神がなんばまで繋がっていなくて、なんば~梅田は御堂筋線。
    ……の予定だったんですが、大阪着くタイミングでなんと雪がちらつく!ええ、あわてて守口市駅へ立ち寄りました。「雪、積もってるよ?」
  • 6日目:姫路→小豆島→岡山
    スプリング8経由のルートを見つけきれず、小豆島経由に。バス半周、1時間コース。やっぱり小豆島って大きいんですよね。……という実感、瀬戸内国際芸術祭で改めて痛感することになります。
  • 7日目:岡山→尾道
    この旅のシリーズでは初めて「1日中都市的なバスを乗り継ぐ」日になりました。小刻みにいろんなバスを乗り継いで、今は亡き井笠バスとか、お世話になりました。
    尾道には昼下がりに着くんですが翌日へ繋がるバスがもう走ってないので、自転車借りて因島まで走ってみたり。道沿いでデコポン売ってたので水がわりに買って、のんびりサイクリング、それこそ気持ちいいってやつです。
  • 8日目:尾道→石見川本
    ここから山陰へ。まずは中国バスの世羅方面三次行きへ。……というか甲山営業所行きって言ってたんですが、実際の車は三次まで直通なんですね。運賃は甲山で全員精算して一度下車なんですが。三次からは赤名経由で大田市、そして川本へ。……本当は大田市→江津の直行バスがあったんですが、既に川本で宿押さえてましたorz
    ただ、素直に山陰路辿らなかったことで、なかなか行けなさそうな川本の街?を歩けたのはちょっとした収穫。……というかですね。外からマトモな道路アクセスすら成立していないような街に1000人規模収容のコンサートホール作るって何考えてるんですかね?*6
    小学校とホテル(!)が合造になっていて、「ホテルに泊まって、ホテルのプールで汗流す」というブルジョワ?な体験も。*7……てか川本にホテルあるって時点でいろいろおかしい気がするんですよね。案の定?泊まり客の大半は道路工事の関係者。公共事業のマッチポンプです。
  • 9日目:石見川本→東萩
    江津まで高速バスの末端区間をのんびり乗り継いで。……といいつつ、川本発7時台のバスで1駅だけコマを進めて、そこで2時間待ちというわけわからないダイヤ。ドライブインとしても朝7時や8時にはマトモに開いていないんだYo!
    益田→東萩は空港リムジンもあるんですが、今回は津和野経由をチョイス。津和野→東萩、通常の路線バスは山口市までの中間地点くらいまで南下してローカル需要にも対応しているんですよね……なんですが、乗ってる客は観光客だけ、といういつものオチ。
  • 10日目:東萩→博多
    長門市経由で下関に出て、関門トンネルを歩いて渡って、あとは西鉄の太いパイプにお任せするだけ。……といいつつ、実はルート計算に意外と手こずった区間でもあります。完全に鉄道平行の都市間下道路線が意外と少ない!直方経由だと高速経由だったんですよねぇ。……と調べてたんですが、直方経由で通った高速って高速自動車国道じゃなくて単なる自専道、というか都市高速ですよねwwww*8
    結局後藤寺経由で、八木山バイパス経由をチョイス。……緑看板だし、車両も高速系の車両だったりで、高速バスとあんまり変わらないノリではあります。

 

*1:たしか山間部まで上がるとコミュニティバスが繋がっているところがありますが、それやるくらいなら一気に益田まで上がって山陰筋に抜けたほうが楽かと思われます

*2:当時はこんな感じで繋がりましたが、いまは全く繋がりません。再現不可能ですので、再現しようとは思わないように!

*3:ただし任意停留所間だけで使えるので御殿場で高速に乗るまでは事実上路線バス的な使い方ができます

*4:いまのダイヤだと白樺湖→松本は登山バスを乗り継ぐ夏場のみのルートがあって、確か2泊3日?

*5:国鉄ではバスの主要停留所を「駅」と称していました。先日駅舎も解体され、牧戸以南のバスは土休日のみの運行になったとか

*6:先に道路作れよと。

*7:もちろんマトモな意味でブルジョワなわけはなくて、例えば監視員がいなかったり、部屋も異常に広いツインルームのシングルユースだったり、色々おかしなことがありましたね!

*8:鉄道使って直方まで行けよって突っ込みになるわけですが、西鉄バスがこれだけ幅をきかせているエリアでバス使わないのも芸がないというか?

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