プロとアマチュアの壁、もしくはプロに支払われるべき謝礼の構造

さて、この日記が話題になってますね~。

どうしてプロに無償で仕事依頼しちゃダメなのか – 原価のある、時間 – What a strange world it is.

この日記をストレートに読んでしまうと、プロでありながら本人がボイスコや同人絵師といった形で無償協力をやってる人をも同時にdisってるわけでアレなんですが、言ってることはそんなに間違ってないです。

彼ら/彼女らが自分の仕事の原価に対していくらの値付けをしているか、という話なんですよね。で、世の中は一物一価が強制されてるわけではなく、この世界に対してはいくらで売る、別の世界に対してはいくらドネーションして無償協力する、といった形が成り立っているわけです。

が。

きちんとお金が回っている企画と、お金が回らず安価に値切ってやっている企画。そりゃ同人の世界には両方あります。だいたい大手さんが前者で、ピコ手さんが後者。
前者と後者を混ぜてはいけない理由は、はっきり言えばここにあるのでしょう。後者の企画に参加するプロは、自分の持っている能力をドネーションしています。彼ら/彼女らは後者の企画にドネーションしたいわけであって、前者の企画にドネーションしたいわけじゃありません。
前者と後者を混ぜる行為は、後者へのドネーションを前者で吸い上げる行為なんです。

きちんとお金を回し資本主義/市場原理主義に従って運営される同人企画と、そうではなく互恵の精神から社会主義的に回される同人企画。本来は、プロとアマの間ではなく、資本主義と社会主義の間に壁が必要なのだと思います。……で、それはベルリンの壁とも言いますし、鉄のカーテンとも言いますが、その壁やカーテンをぶちこわす行為はキューバ危機と同じくらい同人社会に致命的たりうる行為なのかもしれません。

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