クリエイター一人一人が政治にどう向き合うか

わたしはこれまでに色々な同人活動をやってきました。その中には成功したもの、失敗したもの含めて、多かれ少なかれ政治と直結したアクションを必要としたものもありました。

その経験をもとに、クリエイター一人一人が政治とどう向き合うか、考えてみました。
私自身も何度か考えを変えてきている話題なのですが、いまの考えで当面は落ち着きそうなので、自分の思考のまとめとして。

以下長文なので折りたたみます。

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ビッグサイトのない東京の同人活動

この記事を読んで。

ビッグサイトより狭くても問題ないかも?-今日の言わせれ

確かに、コミケは名古屋開催や大阪開催でもそれなりのモノにはできるでしょう。コミケのブランド力は絶大ですし、東京在住で遠征考えない人たちの分が減ったとしてもそれなりの規模にはなります。

なんですが、ビッグサイトでやっている即売会はコミケだけではありません。近年他の会場を使っていない即売会だけでも、コミティア、例大祭、コミックシティがあります。このあたりは東京での居場所を失うわけです。*1数千~万SP規模の即売会をやれる会場となると東京圏ではビッグサイトと幕張しかありません。

なのですが、実はシティの機能の一部は他の即売会開場でも代替し得ます。それが、「プチオンリー」の存在。*2
この数年、会場を借りて開催する古典的なオンリーイベントは退潮の一途を辿っています*3。理由は2つあって、ジャンル規模が急速に拡大する情勢に追いつかない状況になってきていること*4、そしてプチオンリーの存在。プチオンリーの運営と古典的なオンリーイベントの運営、どっちが楽かといえば当然前者です。*5

とはいえ、プチオンリーの機能は他の小規模会場でのイベントで代替することができます。100SP~400SP規模ならPiO*6、数十SP規模なら人形町~浅草橋エリアの会場群が使いこなせます*7。即売会開催実績のない未開拓のハコもたくさんありそうです。

即売会開催というとどうしても風当たりの強い事業にはなりますが*8、プチオンリーの場が失われるのを待たずに、自分たちで小さなイベントを立ち上げる習慣を改めて取り戻してみてはいかがでしょうか?そうすることで、オリンピックによる東京都市圏の同人文化のダメージも最小限に抑えることができるはずです。

一度失われたスキルは戻ってきません。即売会開催がロストテクノロジーになる前に、もう一度即売会を立ち上げるノウハウを考えてみましょう。

 

*1:代替としては幕張がありますが、こちらもいつまで使えていつから使えないのか、そして新規の即売会をねじこむ余裕があるのか不明です

*2:YOU系だと「オンリーコミュ」って言い方しますけど、YOUのオールジャンルイベントは東京圏では開催ないので、シティ系の「プチオンリー」って表現を使います

*3:特に女性向けではほぼ壊滅状態というイメージ

*4:とうらぶオンリーのように女性向けで4000SP越えなんて事例すら出てきている時代ですが、現実問題として法人の後ろ盾なしで数千SP規模の即売会開催は無理です。法人の後ろ盾なしで1000SP越え達成した事例は今でもほとんどないはず

*5:金銭的には前者がローリスクマイナスリターン、後者がハイリスクローリターンです。プチオンリーの黒字化は何かしらの別収入源=アンソロとかを出さない限り不可能、という認識。

*6:ここはここで即売会への風当たりが強いですが、目の前の蒲田の街中でコスプレイヤーを街中に解き放つイベントに成功した前歴もあります。新規にPiOで何かを開催するなら蒲田でのコスイベ開催に成功した大田区議のおぎの稔さんへの相談が有益かも

*7:このへんは民営会場が多く、公的な足かせがかかりにくいです

*8:風当たりを起こして火のないところに煙を立てる張本人の大半が、わずかなイベントの瑕疵を針小棒大に見積もる2ちゃんねらーやついったらーによるものだ、とは言っておきます

今年上半期の新作計画

今年上半期、Harmonie Chromatiqueでは新作を3本予定しております。

まどマギCD第2弾

昨年好評をいただきましたまどマギCD第1弾の続編、第2弾を2016/03 (京都もう恐)にてリリース予定です。
収録曲目は未確定ですが、6曲~程度で予定しております。

交響曲第5番

しばらく出る出る詐欺していた交響曲第5番、2016/04 (M3 2016-春)にてリリースの予定で動き出しました。
個人的には1998年以来18年ぶりの新作交響曲です。

東方CD

そして、久々……というか自サークルでは初めての東方CD。ちょっとした演みた風味になるとは思いますが、2016/05 (例大祭)にてリリース予定で動いています。

作品ごとの詳細は、ある程度固まったらお知らせいたします。

AIDMA x 同人(誌)即売会

サークルが同人誌/同人作品を買ってもらう構図に対するマーケティングモデル、とりあえずAIDMAを導入して考えてみましょっか。

  1. Attention(注意)
  2. Interest(関心)
  3. Desire(欲求)
  4. Memory(記憶)
  5. Action(行動)

Attentionは「存在を知る」です。知ってもらって、「関心→欲求→記憶」というプロセスを辿って、はじめて「買ってもらう」ことができます。
存在を知られていないサークルなんて、存在しないも同義です。

で、こちら。

 確かに「即売会コンテンツには興味の無い」参加者を増やすことでサークルにとってメリットがあるかどうかは自明ではありません。なんですが、AIDMAのモデルによればその場でのAttentionの可能性を高めることはできます。と考えると、一般参加者が増えること自体はそれはそれで言祝ぐべき話じゃないですかねぇ?

半ば余談ですが「その場でのAttention」の意味合いの強さはイベントによってけっこう違います:コミケはやっぱりここが強いです。M3はもはやほとんど無意味というところまでたどり着いたかな。地方のオールジャンルはその場でのAttention以外で買ってもらえる可能性はゼロですが、トータルの参加者数がコミケより弱いのはどうしようもなく。

「民主主義」とは何か&少数意見をどの程度尊重すべきか?

SEALDsの活躍とか含めて「民主主義とは何か」という議論が一時期面白かったですよね。

民主主義とは何なのか (文春新書)

民主主義とは何なのか (文春新書)

 

こんな本が出ていたりもしますが、本記事エントリは民主主義がカッコつきです。
以下長いので折りたたみます。

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参加イベントを増やしてみました

まず、本記事についてのスタンスを以下に表明します。
過去に私がM3準備会と相当大きなもめ事を起こしたことは確かなのですが、それとは全く無関係です。

というわけで、先日公開したこの記事。

h-chromatique.hateblo.jp

気づいたらかなりのアクセスを頂いているようです。感謝!

というわけで、私のサークルとしてもM3以外の頒布経路をある程度確保しておかないと活動継続が難しくなりかねない現状があります。昨年冬はようやくコミケのサークル参加に復帰、それ以外でも妻のイベント参加に相乗りして作品委託してみたり、いろいろ試しております。

なので、サークル参加するイベントを増やしてみました。

まずはコミックシティ。東京開催の大規模なシティは3月、5月、10月です。10月はM3とかぶる可能性もあるので悩みどころですが、ひとまず3月と5月に申し込んでみました。小規模シティは腐った方面なら(プチ)オンリーイベントやジャンル動向次第では参加アリなんですが、うちは音屋なのでそれ以外に出るって決断に至ることはないかなぁ。
5月のティアも、申し込み予定です。

今のところシティが音系の意味でブリザードなのは間違いないのですが、それでも少しずつ潮目が変わってきているかな?と思うのも事実。主に腐った歌姫さんやボイスコさんの皆様方におかれましては、ダメ元でシティもサークル参加してみませんか?

地方イベントについては、3月と10月のもう恐(3月は京都開催、10月は沖縄開催)を画策中です。それ以外については今のところ未定ですが、来年からはもう1つ増やす予定。

意外と遠征が楽な東京近郊は、もうちょっと増やしたいところです。
とりあえず手近なところだと4/17春日部かぁ……M3前週だから、M3落ちたら考えることにしますか。落ちてからでも申し込みスケジュール的には間に合うイベントだし。5/29の横須賀……東京にいるかどうかちょっと怪しい日程だなぁ。

もう恐21(1/17): ありがとうございました

もう2日ほどたってしまいましたが、もう恐21で「うみのあん」様にてCDを手にとっていただきました皆様、ありがとうございました。

久々にクレジットカード決済をご希望の方もいらして、いろいろ楽しい1日でした。

次の即売会参戦は3月の京都もう恐を予定しております。これも「うみのあん」様への委託で、まどマギCDの新作も計画中。その後東京での即売会参加はは(受かれば)4/24のM3, その後多分コミティアです。

 

取り置き受付のお知らせ:1/17 もう恐21

さて、あと3日?あっという間だなぁ。

というわけで、今週日曜日(1/17)の即売会「もう誰も恐くない21」での委託頒布について、取り置きの受付をお知らせします。

今回は「うみのあん」様(スペース: O-25)への委託参加になること、オンリーイベントということもあり、まどマギピアノCD(sis clavier magica!)以外の頒布については取り置き分のみの搬入となります。

ご希望の方は、以下のフォームから事前のお知らせをお願いいたします。

2016/01/17 もう恐21(O-25) アルクロ取り置きフォーム

なお、まどマギ関連以外の搬入については、主催組織問い合わせの上OKをいただいております。*1

今後もオンリーイベント、地方遠征の場合は取り置きベースでの搬入を計画しております。

*1:これ、全体の傾向としては男性向けOK, 女性向けNGの風潮がある気がしています。

M3の抽選激化を踏まえたお話

先週、音系同人界隈に衝撃が走りました。

 これ、井手口先生@立教大の論文に載ってたはずのネタによるとM3って春にサークル申込数が激増するんですよね。秋は同年春とあんまり変わらない。
なので、以下ツイートを見比べるとそれなりに妥当な結果です。

とはいえ、会場はTRCのまま。TRCは相当無茶しても全館で2000SP突っ込める会場ではありません。*1

てわけで、会場が変わったり複数日開催に踏み切れない限り、今後もM3の抽選は激化していくのだろうな、と予想しています。14春で1200SP→15春で1500SP→16春で2100SPと考えると春ごとに大まかに3割サークル数が増えると想定できるので、17春には2800SP, 18春には3500SPってところでしょうか。当然TRCには突っ込めないので、抽選が激化します。限界1500SPと考えると17春で競争率1.8倍、18春では2.3倍くらい?「受かって当たり前」というよりは「落ちて当たり前」の数字ですね。
個人的には、来年春からM3抽選落ちを前提としたアクションを真剣に考えるべきだと思っていたので、ちょっと前倒しでサークル数が増えてて驚きではあります。

で。倍率2.3倍だと2回連続で落選するサークルが3割、3回連続が2割弱になります。ここまで行くと、あるサークルが3回連続で落選したからといって即売会から嫌われているのか、真に抽選で落ちたのか、判断が難しくなります。*2

一般論として、コミケやM3といった大規模(全世界最大規模 / ジャンル最大規模)の即売会イベントになると、サークル参加できるかどうかはサークルの運営に大きな影響をもたらします。新作のサイクルにも、サークルとしての収入源の問題にも影響を与えます。なので、「即売会に参加する権利」は一種の利権、もしくはサークルをコントロールする手段として機能します。
例えば即売会がそういうことを考えていないとしても、利権や手段として機能してしまうという冷徹な現実がある結果、以下のようなツイートが飛び交うことになります。

 こういうツイートが飛び交う=疑心暗鬼に対して、最も有効な解決策は情報のオープン化だと言われます。ですが、情報をオープンにすると逆に「このサークルを通せ」的な脅しに脆弱になりませんかねぇ?

何はともあれ、準備会スタッフが異常な発言をするのは疑心暗鬼を引き起こさないためにも控えてほしいと思うところです。例えば個別のサークルを名指しでdisるとか。*3こういう不祥事が起きてしまうと何がまずいかというと、その対象になったサークルが「落選した」ときに、不祥事が尾を引いて落選した(=そんな騒ぎを起こすサークルなど追放してやる!=参加するなら文句言うな!)のか、真に抽選で落選したのか、判断がつかなくなるからです。

私の元にも、「M3に参加できているのだからM3の文句を言うな」という意見はそれなりに届いています。なんですが、これって「日本政府のお世話になっているのだから日本政府の文句を言うな」と何も変わらないんですよね。M3の運営で「まずい」ところはちゃんと声をあげていかないと、M3も良くならないと思いますよ。

*1:スタジオYOUで1展でも1000SPちょっと越えるくらいのはず。前川たんに配置作業させたら2000SP突っ込む気がしなくもないですが、とりあえずPiO大に700SP弱を突っ込んだ昨年のPiO砲雷撃戦xもう恐のレビューをごらんください。

*2:コミケは2回連続で落ちると次が救済措置でしたっけ。

*3:最近、「サークル配置/抽選結果発表前に抽選結果を落選サークルにバラした」スタッフの話を聞きました。裏付けが取れていませんが、本当だとしたらとてつもない不祥事と考えます。