先日、真木よう子さんの企画が色々あって燃えました。
例えばこんな感じ。
この企画自体には個人的には不興1割、注視9割といったところです。特に鈴木心さんの行動には今後の情報判明次第*1では新規の批評エントリを出すことも考えています。
この度は一連の「真木よう子、出版プロジェクト」にて多くの方々にご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。経緯説明を画像にてご報告させて頂きます。 pic.twitter.com/c7v5ineTxS
— 鈴木心 (@SUZUKISH1N) 2017年9月2日
とはいえ、本エントリのターゲットはここではありません。
そもそも同人xクラウドファンディングについて改めて考えてみましょう。
まず、そもそも同人においてクラウドファンディングはルールの範囲内か?範囲外か?そこから考えてみましょう。
同人の最初期の形は、サークルメンバーがお金を出し合って同人誌を制作した、というものです。その形を現代に押しつける意図ではありませんが、少なくともクラウドファンディング的なものが同人の歴史で培われた精神にそぐわないものである、という前提はありません。
コミケのルールに、クラウドファンディングから得た資金を制作に使ってはならない、というルールは過去も現在も存在しません。*2
次に、ルールに違反しないからといって本当に機能するのか?という疑問を考えてみます。というかこちらが本丸。
私自身は、通常の同人活動においてクラウドファンディングの採用は現時点では否定的です。これを理由に他人が採用することを批判し糾弾することは一切正当化されませんが、私が誰かからクラウドファンディング採用について相談を受けた場合、まずは以下の説明をしています。
- 現時点において、同人社会ではネットによる「監視」の力が強いことは事実。
- クラウドファンディングを全くトラブルなしにやりきれるなら、メリットだけを取れます
- だけど、何らかのトラブルが起きたとき、ネットにおける監視者(特にお金を払っている人)は糾弾するための口実を手に入れたと考え、容赦のない糾弾を起こすことが容易に予想されます。
- 現時点ではそのリスクが高すぎ、クラウドファンディングの利用によるメリットを取りに行くにもリスク所有を正当化は難しいです。
ただ、この「監視」の口実としては、「お金を払っているから全力で監視させろ」というものがあります。
ということは、お金を払う人たちからその手の監視層をうまく外すことさえできれば、クラウドファンディングのデメリットを減らしていくこともできます。個人的には、この形には大きく期待しています。
ある意味、こういうアプローチを既に実現しているのが東浩紀率いるゲンロンのビジネスですし、ファンティアを軸において何かしらのことができるかもしれません。
特に、ゲンロンのビジネスにおいては匿名で支援することはできない仕組みになっています。(……ですよね?)匿名性がないということは、不穏当な監視や暴言は難しくなる*3わけです。