まずは宣伝。
2016年春新作「交響曲第5番」、4/24のM3から頒布開始します。
2016年春の即売会参加のお知らせは、こちらの記事をどうぞ。
さて、連載の2つめ。
交響曲第5番の第2楽章・第3楽章について語ります。
全般&1楽章の記事はこちらをごらんください。
第2楽章
第2楽章はスケルツォ楽章です。
過去の交響曲の歴史を見ると、ハイドンの時代にはいくらか2楽章にスケルツォやメヌエットを配置する作品もあるのですが、ベートーヴェンの作品ではおそらく8番で実験が行われた後、9番(いわゆる「第9」ですね)が最初になります。
2拍子のスケルツォ~ワルツ風のトリオ(「舞曲のテンポで」)~スケルツォの再現、という形式を持ちます。
ギャロップ調のリズムに乗っかるサウンドは、「ジャジャジャジャーン」の変容でもあります。
下降する音は、こんな形で顔を出します。
最後は不思議なオーボエソロで幕を閉じます。高音域のリード管楽器ソロ+それを断ち切るようなトゥッティといえば、これ。
この「運命交響曲」で道半ばにして処刑される人が誰か、は皆様の想像におまかせしておきます。
第3楽章
こちらは「架空の交響曲のためのアダージョ」としてこれまで何度も世に出してきた作品ですが、実は当時から「架空」とは言い切れない構成で作曲を進めていました:この交響曲の断片は同時並行の作業の産物だったりします。
2つの大切なテーマは、第2主題にこのような形で埋め込まれています。
作品の構成は、A(第1主題)~B(第2主題)~A~B~A~コーダのアーチ風構造。コーダは主に第2主題の材料でできていて、最後の部分に第1主題が使われています。
そういえば、第2楽章で誰かさんが処刑されたので、空に舞い上がる第1主題って昇天ってことなんでしょうかねぇ?