APOLLOが無事?始まったみたいです。
で、過去のAPOLLO関連記事。
で、KAI-YOUさんの記事。
この記事のタイトルにもある通り、APOLLOはランキング偏重時代に対する一定の問題意識を持って活動しているそうです。……が、実際にうまくいくんでしょうかね?
というわけで、なぜインターネットの世界ではロングテールがもてはやされるよりもランキング偏重時代に移行してしまったか考えてみました。たぶん既存の議論が山ほどある世界だとは思うのですが、今回はそのへんの議論を参照できていません*1
インターネットは広大な世界です。が、その全てを見られるわけでもありませんし、インターネットの世界に「体系」はありません。
一昔前、表現作品には体系がありました。偉い先生がたが名作を選定し、そういった作品がまとめられた名作集のようなものが出ていました。それがまさに体系です。一方、インターネットはフラットな仕組みである以上偉い先生ってものは存在しないので、体系を作れません。一方、ランキングは容易に作成できます。で、受け手にとってランキングも体系もあまり変わりません:アクセスしやすいキュレーションとして機能します。ロングテールの活性化ではなく寡占が起きるメカニズムは、おそらくそういうことなのでしょう。
以前花帰葬二次創作の世界をうろついていた頃の話。花帰葬二次の世界は一人がなんとかジャンル全体像を見渡すことができる規模でした。女性向けだとカップリングとかでジャンルが細分化されるので、なおのこと。その結果、体系もへったくれもなく一人が全部を見られるので、ランキングとか無意味でした。大手の有名サークルって存在も見当たらなかったように思います。*2
となると、寡占の発生を回避するにはジャンル規模が小さい必要があるのかもしれません。昔のM3は全スペースを見て回ることもできる規模でしたし、その時代は確かに今より中小サークルが元気だったようにも思います。
今回APOLLOがスペースをジャンル別に分離、さらにジャンル間の回遊性を落としたのは、寡占やヘッドの肥大化を防ぐために「見て回るべき規模」を小さくしたアプローチとしては評価できるように思います。
言うまでもなく、同人社会はオープンな仕組みです。ルールを守る限り誰でも作り手として参入できる。そういう構図があって、拡大していく同人社会を受け止めるために適切に運営された即売会というインフラがある以上、規模の肥大化を食い止めることは多分誰にもできません。
となると、寡占化を防ぐために何ができるか。悩ましいところではありますが、未来に向けてはより小さなマーケットを見つけてアクションを起こしていく、そういうことなのでしょう。