twitterで予告してたネタ。
ああそうそう、一昨日のツイートと昨日のブログ記事に関連して、「祭りなどの人出の数え方」に関する記事があったので参考までに。 https://t.co/kPw0kVstCb かなりい~かげんだというのは分かります。 コミケのカウントも完全じゃないけど、ここまではひどくないかと。
— 太田たこす (@takosu28) 2015, 10月 20
このあたり、一時は物理方面うろついてた身としては一家言持ちたいところ。リテラシー的にも面白い話題だし、あとでブログに何か書きますかねぇ。
— あかみ (@akami_orihime) 2015, 10月 20
てわけで書いてみます。
測定って、本質的にはこういう話だと思うんですよ:実際の人数がx人、測定値がy人だとしたら、y = f(x) って関数があって、fがよくわかっていない、と。
で、ベストの測定ってのはfが恒等関数、つまりf(x) = x になるもの。そうすればf(x)を測れば当然xがわかりますよね?だけど、それは無理な相談。
x1 > x2 であれば f(x1) > f(x2)、かつx>0の至る所でf(x)が連続かつほとんど至るところで微分可能であれば、それほど病的な話でもないです。もちろん通常の物理量の測定のように実の値と誤差って考え方をすればf(x) = x + εとも言えるんですが、実際にはxの一次関数と仮定するのもちょっとおかしいのでεは大きくxに依存してくるわけで、それなら測定関数f(x)があると考えたほうが自然かなー、と。
で、上記の関係が満たされていて、かつf(x)をxで微分した結果がそれなりに恒等関数に近い何かであれば、まあそれなりには筋の通った測定できますよね。
という前提を受け入れると、ここまでの「筋の通った測定」で分かることは何でしょうか?
例えば同じ測定関数fを持つイベント1と2で測定値がy1 > y2 という関係にあれば、x1 > x2 が言えます。y1とy2がかけ離れておらずf'(x)の素性がある程度分かっていれば、x1とx2の違いもなんとなく見えます。
一方、あるイベントxに対して測定関数f1(x)とf2(x)で測定値がy1>y2という関係にあれば、f1(x)とf2(x)の関係がなんとなく見えます。
……という話なんですよね。だから、繰り返し開催されるイベントであれば、参加人数測定方法はできれば変えて欲しくない。人数測定方法の関数f(x)に変化がなければ、実人数はともかく実人数の動向くらいはなんとなく見えるわけです。
測定の誤差にも、いろいろな可能性があります。例えば建築*1や工業生産の世界で許される誤差はミリメートル, 下手するとマイクロメートルの世界です。天文や基礎物理方面の測定だと「桁数合っていればいい」程度の荒っぽさなこともあります。
測定値を見たときは、測定関数の本質も踏まえつつどのくらいの誤差がありそうなのか、どのくらいの誤差なら自分が考えるネタには困らないのか*2考えてみましょう。
コミケ1日20万人って数字を(20万1人でもなく、19万9999人でもないという意味で)完璧に信じている人はいないと信じたいですが、実際何割くらい誤差出ているんでしょうねぇ。あの人数を正確に計算するのはかなり難しいと思うのですが。*3