R18本を買うための身分証明書を考える:2015年版

先日、こんなやりとりがありました。

 てわけで2015年~を想定したマイナンバー制度のもとで、改めてR18本を買うためにどんな身分証明が有効か、また無効かを議論しなおしてみます。私自身もマイナンバー制度が頭に入りきっていないところがあったので、再整理も兼ねて。

マイナンバー自体を民間利用するのは明確にNGです。ここでいう民間利用とは、例えば住所録の索引番号としてマイナンバーを使うことや、その他法的に正当な理由なく他人のマイナンバーを控えること。もし不正に民間利用した場合、最悪の場合は特定個人情報保護委員会から改善措置の命令を受けることになります。

つぎに、身分証明としてのマイナンバーまわりの話。
マイナンバーカード(個人番号カード)は民間セクターでも身分証明として使うことが想定されていて、民間利用OKでした。*1ただし、マイナンバーカードは官公庁で申請することによって受け取れるカードで、現行の住基カード+その他もろもろの機能を兼ね備えたものだそうです。なので、全員がマイナンバーカードを持っていることを想定した運用は(当面は)取りづらいところ。*2それにあわせて、住基カードはだんだんとフェードアウトしていくことになります。マイナンバーカードが発行開始になると同時に住基カードの発行が停止になる、という枠組みのようです。

マイナンバーの通知カードは身分証明書としての位置づけではなく、公的な身分証明には使えません。……なんですが、これを個人的な身分証明に使った場合にどうなるかは、昔ながらの議論通りで明らかではありません。*3

てわけで、大枠としては住基カードがフェードアウトして、そのかわりにマイナンバーカードが出てくる、といった構図になりそうです。マイナンバーカードは写真つき身分証明書なので、写真なしの住基カードよりも身分証明力は高いところ。
Softbank系は独自の判断で住基カードによる身分証明を受けていませんが*4、そういうのは独自判断ということであんまり気にしなくて良いのでは。

身分証明書として何を受け入れるかは、第一義的にはサークルの自由です。即売会全体が身分証明のために便宜を図っている*5としても、即売会へのサークル参加ルールに当該便宜の利用が強制されていなければ独自の身分証明書を受け入れることに支障はありません。

もう一段変わった運用として、「リアルで知っているので身分証明不要!」は通るかどうか。金融業界の本人確認ではこの方法は通せないことになっていますが、職場に対して社員がマイナンバーを提供*6する場合では「総務が社員を直接知っているので、マイナンバー提供にかかわるその社員の身分証明は不要」というアプローチが許されていることを参考として書き残しておきます。*7

*1:ただし身分証番号としてマイナンバーを控える行為はNGです。民間セクターでは、一般的には身分証番号を控えて身分証明を確認したエビデンスとすることが多いようなので、このあたり運用がどうなるかは今後も注視していきます。

*2:将来的には保険証との一体化が想定されているようなので、そうなればマイナンバーカードを持っていることを前提とした運用が可能になります。もちろん一時滞在の外国人や無保険者の問題などは残るのでマイナンバーカードを使わない道筋もケースバイケースで残すべきではありますが。

*3:構図としてはTASPOで年齢証明した場合と同様になります。TASPOで身分証明をしてはならない、という規定はTASPO保有者とTASPO発行元を拘束する契約ではありますが、TASPOと無関係な証明相手を縛る規定にはなり得ません。

*4:住基カードで身分証明する客の料金不払い率が有意に高く、企業防衛としてこういう措置をとっているそうです

*5:よくあるのは、スタッフが身分証確認→リストバンド用意、といった構図です

*6:給与等の運用で必要になりますし、法的に正当な提供です

*7:おそらく中小企業でないと成立しないでしょうが

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