さて、お待たせしました。久しぶりのKhronos作品解説記事。前回分は
作品解説:Khronosの聴き方 – Harmonie “Diary” Chromatiqueをごらんください。
まずは試聴、1曲目のファンファーレ~プロローグ~インターリュード1の流れを。
まずはファンファーレ。頭の3連符の「ファンファーレっぽい」音と、最後に出てくる「ミ~ファ~ミ~レラレ~」のメロディーがポイントです。
どちらも最終曲後半で戻ってくる素材なんですが、いまはなんとなく聴いておいてください。
ファンファーレとプロローグ、インターリュードは(CDではトラック切ってますが)書く側の意識としては繋がっている1曲になります。
プロローグはまず0:03~にメロディー(第1主題)がチェロで出てきます。このメロディーが最終曲の前半からガンガン使われる構図になっていて、ファンファーレとあわせてアーチのような構造になってます。0:56からの弦楽合奏で流れるメロディー(第2主題)は2:51からのクライマックスで回帰する作りになっていて、プロローグの中でもアーチが保たれています。
ちょっと戻って0:44、第2主題が出てくる直前のエピソードは第2主題部のラストでも(第1主題と組み合わさって)1:33に出てきます。ここは一つの区切り、決め言葉みたいな感じですよね。1:42からいよいよ歌の出番。伴奏は第1主題部分の雰囲気でクライマックスまで押し切ってます。
というわけで、単純に聴くとちょっとしたボカロ曲ですが、これだけの伏線を作っておきました。他にも細かい伏線はあるんですが、全部の音を解析するのも単に理論家のお遊びになっちゃうので、blog記事はこのくらいで。
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次回は第5曲に仕込んだ伏線回収をご紹介。アーチのちょうど中央の曲になりますが、他の曲との連関もきっちり仕込みました。