作品解説:Khronosの聴き方

作品解説記事、第2弾はKhronosです。

この作品はガジェットをいろいろと詰め込みまくってるので、数回にわけて解説していきます。1回で済ませてぎっしりになると分かりにくいですしね。

てわけで、まずは曲の間の繋がりをどんな形で書いているか、というお話。

Khronosは実は当初の予定より2曲少なくなっているのですが、とりあえず曲のリストをこちらに出してみます。トラック番号とは少々異なりますが、私自身の作曲時のリストはこんな形になってます。

CDとの違いは、各曲の後ろのインターリュードを別トラックにしている曲がいくつかあるのと、4曲目と6曲目が削除されたあたりです。

  1. ファンファーレ~プロローグ~インターリュード1
  2. songe journal~インターリュード2
  3. 眠り姫の子守歌~インターリュード3
  4. (水面に落ちる言葉)~インターリュード4
  5. Seirenes Loreley
  6. (Lei lo volle)~インターリュード5
  7. Luce e Ombra~インターリュード6
  8. 白銀のnoces~インターリュード7
  9. エピローグ

まずは曲の配置。中盤でドラマの中心に来るSeirenes Loreleyを中心に作品全体が対照的に書かれています。インターリュードを切り離すと、「ファンファーレ+プロローグ」と「エピローグ」。合唱曲の「眠り姫の子守歌」と「Luce e Ombra」。3拍子*系*楽章の「songe journal」と「白銀のnoces」。
で、「ファンファーレ+プロローグ」はそのままエピローグに繋がる仕掛けになっている一方、子守歌とLuce e Ombraはハーモニーが対極的。songe journalはあからさまにワルツ(ただし5拍子)、白銀のnocesは3拍子のゆったりした楽章とこれまた対照的。

次に、メロディーレベルの仕込み。聴いて気付かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、あの作品はあちこちに同じようなメロディーが出てきます。
まず一番わかりやすいところから。「インターリュード」は全部同じ主題なんですが、あの主題はインターリュードだけではなくSeirenes Loreleyの中間部にも、そして終曲の冒頭にも出てきます。Seirenes Loreley はインターリュードを持たないのでそのかわりなのですが、出てくるタイミングもちょうど真ん中あたりになります。

ファンファーレは同じテーマがエピローグの最後の部分にいろんな形で出てきますし、エピローグ自体がプロローグの続きみたいな書き方になってます。
で、Seirenes Loreley の第2テーマはエピローグの中間メロディーと同じもの。

 次回は、試聴を上げているファンファーレ/プロローグとSeirenes Loreleyを解説します。